ご縁をいただいて吉野郡黒滝村の村おこしをするためのコンサルタント業務を引き受けることになった。過疎化や高齢化が進む中で林業が立ち行かなくなり、農業もいろんな取組をしてきたがどれもこれもたいした成果を上げられない現状を打破したいという強い村の意向を受けて産業振興の委員会を立ち上げることになったのである。
辻村村長のお父さんが村長を務めておられた当時私は奥野誠亮先生の秘書という立場でいろいろなお手伝いをさせていただいた。現村長や当時のことを知る方々にお目にかかり懐かしい思い出が一度に蘇ってきた。「トンネルが出来たおかげで20分かかったところが1分半で行けることになったんや」と昔奥野先生のところで陳情を受けて出来上がった道路が村民の皆さんに喜ばれていることを聞いて嬉しかった。
役場の玄関にいまの村の世帯数は392、人口が885人と表示されていた。村では生活できないと言って村を出てゆく人あり、子供が減って今年4月に小学校1年生になる子がたった1人という。農業も担い手がいないのと獣鳥害でやる気を削がれてしまっている現状を聞くと「これは何とかしなければ」という意欲がわいてくる。
23年度事業として県から交付金をもらっているので、年度内になんらかの方向性を示さなければならない。当法人の知恵袋である岩本事務局長がハウス栽培の実験棟を作ろうと提案し委員の皆様の賛同を得ることができた。3月までに視察と2回の委員会を開きまとめることになった。きみかげの森としても精いっぱいお手伝いをしたいと思っている。